この本の「知のサムライ」ってタイトル、
なかなか秀逸だな~と思ってます。
知のサムライたち―いまこそ日本をささえる10人の思想/長尾 剛- ¥1,470
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著書の中に、大原幽学という人物がいます。
渋沢栄一同様 、道徳と経済の調和を目指した人物です。
大原幽学の哲学の根柢にあるその思想は
農業を通じて伝えられました。
幽玄氏曰く、村の復興には
個人の生活の見直しが必要不可欠と言います。
これはいまでも同じ事が言えるでしょう。
氏が与えた生活の形式を「規式」と言い、
年間の行事をマニュアル化したりしました。
ある種の取り決めやルールを作ったんですね。
今でもJAや信金がこの活動を引き継いでいるという大原幽学提案の
「先祖株組合」は世界最古の協同組合だといいます。
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幽学氏は上下関係を作りたくない理由から、
学びを教わる人のことを「道友」と呼び、
仲間同士助け合い、教えを学んでいく為の
入門契約書「神文」を作りました。
これはリゾームFCの加盟契約書みたいなもんだと
勝手に思っています^^
また、その理念は「資本などの金銭による結びつきではない」事と、
「人と人との絆による組織であること」。
僕のイメージするFC理念(というより構築基礎)は
これとかなり似ています。
本来、絆とは人ありき。お金からの縁なんて、
始めから切れ目が入っているようなものです。
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さて、その幽学以前にも、こういった
思想を実践していた人がいます。
ここ福岡(筑前)の有名な思想家である
貝原益軒から指導を受けたとされる宮崎安貞です。
彼は「農民の所得増大」を提唱し、
その方法を2つ考えました。
それは「年貢の米以外の農作物を作る事」と、
「農耕具を改良する事」。
会社でいう新規事業や運営システムの改革です。
それを行う際、安貞には一つの哲学がありました。
それは、ただ所得を増やす為に能率化・効率化・
そして便利化を求めない事です。
農耕具に頼りすぎるのではなく、人間の能力を最大限に発揮し、
農耕具はプラスαとしての役割とせよ、と。
初めから改良した工具に頼る事は
逆にマイナスになる、と氏は思ったのでしょう、
よって、工具の改良には一定の枠を作ったと言います。
その枠こそが「人間のかかわりと誠意」なのです。
やはり時代を越えても不変は人、ですね^^
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さてさて、幽学が若干放置プレイ気味ですが
2人には大きな共通点があります。
それは「使う道具が進化しても、人の道から外れてはならない」という
厳しい自己規制です。
幽学の作った先祖株組合には
「加入者はすべて善行を目指す道友でなければならない」というルールもあります。
さて、この善行である「善」とは一体何でしょう?
僕は多様な中にでも、それは一貫して存在すると思っています。
そんなわけで、次回は「善」について。
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