江戸時代の思想家三浦梅園氏は、大自然の自己構成原理を「条理」とし、
その構造を「剖対反比図一合」として図式化しました。
条理の「条」とは木の枝のこと、
そして「理」とはその筋を作る考え方のことです。
もともと条理は孟子の言葉であったこともあり、
梅園氏の思想は中国の陰陽思想が背景にあります。
それを数的に定式化したのが「一即一一」または「一一即一」。
(一即二、二即一とも)
自然の条理を配置した図なんですね。
三浦梅園はあらゆる自然界とは完全なる均等を保つ為に
このような二分木構造になっていると言ってます。
コインの裏表で説明すると裏は裏で存在し、表は表で存在する。
つまり分かれて相反し、合して一となる。
その認識としては「反観合一観」。
反観とは、正反対の物を想定して、必ず相反する性格があるという認識法です。
さてこの相反性とはその意味が等価に成立しなければ論理として不十分です。
コインの表だけあって、裏がないなんてありえない話で(笑)
「-、-」は高い所で見た場合、お互いが「-」になる。
上から下に見れば「一即一一」であり、下から上に見れば「一一即一」。
これが困難なのはマイナス思考とプラス思考を例にすれば分かるでしょう、
どちらも同じだとは到底思えないのです。
だからこそ「玄語」は未完成とされ、批判の対象となったのです。
さらに問題なのは梅園氏の著書が全く世に出ず、手に入らないという事です。
(同じ時代の本居宣長はこれほど世に出回っているのに!)
しかしあらゆる現象条理を図式化し、体系化したというのは
東洋では私の知る限り梅園氏だけではないでしょうか。
その理論を見てみると(直感的ではありますが)
自然の普遍性(条理)が見え隠れしている気がするのです。
以上、unreveの編集素材の一つについてでした。
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