2013/01/14

平和のノウハウ

さて、僕は最近全くテレビを見ないので
流行りの歌もアーティストも分からない
という、残念なやつなんですが(笑)



このところお気に入りが
「世界の終わり」でして。



歌詞の意味を問わないものが
多い中、すてきな歌詞書くなぁ、
と思いました。



「天使と悪魔」っていう曲の中に
「大人vs大人の正解、不正解のバトル」
って部分があるんですが、



確かに、大人って理性の塊だよね、
って感じたんです。



今日はそんなところからの小話でも。







さて、昔の僕もそうだったんですが、
矛盾する対立二項は統一したいものです。



矛盾して悩んだり葛藤したりするより、
科学みたく、スパっと断言したほうが
確かにスッキリします。



ただ、ずいぶん前にそれは止めまして、
統一ではなく回帰による統合、
超克的な組織構造論にシフトしました。



統一とは意図的に同じ状態を
作りだす画一化であり、



統合とは相互矛盾し、バラバラなものが
一つになる、調和的なもの、
似ているようで全く違います。



☞ ☞ ☞



ちなみに物理学は統一したがりますな。
例えば、素粒子を一本のヒモに統一したら、
そのヒモが5本に増えてしまった。



真実が5つあると困るもんだから、
11次元の膜で統一したのがM理論なんですが、
それでもパラドックスは消えてません。




なぜ矛盾が消えないか、
それはこの1400グラムの脳が
理性で考えてしまうからですわ。



だからさっきの歌詞の様な
「正解、不正解のバトル」になる。



それじゃあ部分の正しさが
全体にとって悪になる、ってことで、
両成敗式目が慣習化されてたんです。



これができたの、世界で日本だけ。
我々の文化は平和のノウハウを持っています。



☞ ☞



子供を見れば、正解を求めないし、
比べることもありません。



ただ、自分ができたことを
親に褒めて欲しいわけです。



比べ出すのは小学校くらいですな、
ちょうど理性が強くなる頃です。


誰々ちゃんの家は大きいだの、
誰々くんのお小遣は多いだの。



僕もよく言われてましたわ。
「他所は他所、うちはうち!」ってね(笑)



ここからなんとなく記憶が
ハッキリしてきませんか?
これは理性が働いているからでしょう。




☞ ☞



身近な統一理論は他にもあって、
歴史上、最も古いと言われる
西洋宗教なんて、まさにそうですな。




キリスト教、ユダヤ教、イスラム教。
それぞれが唯一無二の神を譲らない、と。



それじゃあさっきのヒモ理論みたいに
真実がいくつもある、って話になってしまう。



だから互いに仲が悪いんですな。
ただ、根の部分はまったく同根なんですがね。



フロイトだって世間の心理を
個人の心理に当てはめてるわけでしょう、



小林秀雄から怒られそうですが、
社会の心理が個人の心理のはずがない。
それならベルクソンの方がまだ分かる。




成功哲学のマーフィーもそう。
無意識を意識でコントロールできる、
と思っている。



つまり意識で統一するって事でしょ、
そんなもん、不自然かつ危険極まりない。



寝ている時は無意識なわけです。
その時、呼吸や心臓は勝手にやってくれてます。



逆を言えば、我々は「無意識」がないと
おちおち寝ることすら出来やしないわけです。



だから陰陽両面を陽で統一するんじゃなくて、
陰陽を統合する生き方は自然だと思うんです。



☞ ☞



そんなわけで、僕は原理主義が
どうしても苦手なんですが、



それすらも、極端になれば
「反原理主義」という原理を持ってしまう。
これじゃあミイラ取りがなんとやら、です。



ほどほどが一番ですな。
原理は太陽と一緒で、長い間見るもんじゃない。



客観的整合性がある原理は
あるかもしれないし、無いかもしれない。



しかしそれは理性では分からない、
逆に、故に、だからこそ、



我々は大いなる原理の存在みたいなものを
感じる事ができるんでしょう。





【後記】

とはいえ、僕の定義では
どうしても存在の悪、というものがありまして。


例えばそれは白痴のムシュイキン侯爵のような
純粋な存在だったりします。



純粋なものは美しいとは限らない、と。
まあ、この辺は難しいですね・・・

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