「師走に入ると独特な空気になるな。
いくつになっても変わらないものだ」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・おい、聞いてるのか」
「・・・・・・もしかして、僕を呼んだの?」
「当たり前だろ。出番だぞ」
「うそーん、
もう終わりっていったじゃない」
「今年最後にもう一回出してやるってさ」
「作者が?相変わらず勝手だな~」
「多分、
「えっ?何、聞こえない」
「だから、ネタが切れたって!」
「・・・・・文字の色、薄くされてるよw」
「チッ、作者だからといって好き勝手に」
「仕方ないよ。僕らは自分で話してるようで、
この人に決定されてるわけだし」
「だな。作者には逆らえん。
ただ、書き手もまた、そうかもしれないがな」
「あら、これは太字で書くんだ」
「そういやこの間の羽生君の演技、
神がかってたね」
「確かに。魅入ってしまった」
「美意識って絶対あると思った!
久々に息を飲んじゃったもん」
「本当に美しいものを観ると言葉を失うね。
分析するのが野暮ったく感じてしまう」
「君が言ってる「あはれ」だね」
「人が高みへ向かって表現しようとする時、
神さんは宿るんだろうな」
「あら、無宗教が珍しい」
「たまには良いじゃないか」
☞☞☞
「この国の漫画やアニメがなぜ世界的に有名か。
僕はここに答えがある気がするね」
「ん?どゆこと」
「多分に、この国は作品に没頭することで
対象と同一化する傾向がある」
「無私、ものに行く道でしょ」
「そう、自己表現じゃない。
むしろ自己を消した時に現れる表現そのものだ」
「舞、芸、武、書・・・・道は全部そうだね」
「個人的にそのうち漫画道が
できるんじゃないかと思ってる」
「あはは、漫画道っていーね。
芸術よりも馴染みやすい」
「漫画は作者の表現というよりも
作品そのものから伝わるからな」
「作品そのもの?」
「例えば君が鳥山明さんの作品が
好きで好きで仕方ないとするだろ」
「好きだよ、ドラゴンボール」
「そこでもし君が漫画家になろうと思ってたら
書く作品は必ず影響されるよな」
好きで好きで仕方ないとするだろ」
「好きだよ、ドラゴンボール」
「そこでもし君が漫画家になろうと思ってたら
書く作品は必ず影響されるよな」
「う・・・ん。読むのは好きだけど、
実際書く絵は別の作者の方が良いかな」
「(細かい奴だ)
じゃあ、その好きな作者の絵には似てくるよな」
「そんな風に描きたいとは思う」
「なんでもそうなのだ。魅力を感じるものは、
自然に真似ようとする精神の働きがある」
「あーね、守破離の守」
「じゃあ、その魅力は作者本人が
口から泡飛ばして情報発信してるか?」
口から泡飛ばして情報発信してるか?」
「インタビューされて答えてるのは見るけど
基本、何も話さないでしょ」
基本、何も話さないでしょ」
「てことは、作者の哲学を聞かされたからじゃなくて
「作品」を見た「自分が」魅力を感じてるわけだろ」
「作品」を見た「自分が」魅力を感じてるわけだろ」
「あ~、内部からの自然派生や~」
「それは「具体性を持った精神」でもあるのだ」
「本人のカリスマ性とか思想じゃなくて、
表現そのものから感じてるからね」
「だから日本はモノ創りの国なのだろう。
対象と同一化するのが実にうまい」
☞☞
「あー、そんな表現ができる
仕事ってないかなー」
「オタクは自分で表現する媒体を持てば幸せだよ。
世間に対してアピールする必要すらない」
「あはは。確かに生粋のオタクはそうだね」
「自己完結してる人は尊敬するな。
ネットで攻撃的になってるオタクは二流だが」
「二流て(笑)君も人のこといえないよ」
「そうだな、なかなか没頭できない」
「没頭しなくても成功できるじゃない。
好きと収入アップは別問題だよ」
「依頼・・・またいくつか断ったんだって?」
「全部じゃないよ。
それじゃ喰っていけないからな」
「やれやれ、一種の病気だ・・・・・・・あっ」
「どうした」
「そろそろ終わりそう、お酒が回ってきてるみたい」
「やれやれ、飲みながら書く癖は治らんな・・・・・」
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