2012/10/15

ホモ・ルーデンス



「遊びの文化」を最初に生みだしたのが、
ご存じギリシャやローマ帝国。この時代の労働は、
制度によって全て奴隷がやっていた為、
市民や政治家達は、やることがなさすぎたのが背景にあります。


歴代皇帝はどんどん記念日を作り続け、
しまいには1年の半分が休日となってしまった、と。
そんな快楽都市、ローマではありあまる余暇
(あそび)をどうにかしようと試みた結果、
あれほどの哲学や文学、芸術や娯楽が生まれたようです。


言わば、ローマ文化は莫大な富による
「あそび」によって作られたんですね。
それは後に「西洋文明」として引き継がれていきます。






剣闘士が戦う闘技場や、競馬場や大浴場など、
皇帝は「パンとサーカス」を国民に提供しました。
※パンとサーカス・・・・・食料と娯楽の事


まさに地上のユートピアのようですが、諸行無常の世界、
当然、それが長く続くわけがありません。栄華を極めた
ローマ帝国は、やがて内部腐敗を起こし、衰退から滅亡へと向かいました。


惰性と堕落は加減を超えた「楽」から派生します。
このパターン(拍子)は時代や場所を問わず、変わらない。



僕はこれを「毎日遠足効果」と呼んでいます。
毎日やってたら飽きるだろ、ってね。


☞ ☞


こう書くと良くないイメージになっちゃうけど
この時代のあそびは以前の記事で書いた
「行動と行為」でいう「行動」の方、本来は
人間の本性に沿った自然に派生する感応行為でしょう。


見れば日本はそれが分かってたようで
平安時代の歌謡集「梁塵秘抄」を見ると
そんな、あそびの歌を詠んでいますね。


遊びをせんとや生まれけん
戯れせんとや生まれけん


遊ぶ子供の声聞けば
わが身さえこそゆるがるれ。


(遊女の罪悪感を綴ったという解釈もありますが)
自然のままに、楽しい事をやるのに対しては、
何の罪悪感もないんですよ。



☞ ☞


遊びの文化を研究したヨハン・ホイジンガは、
遊びが大衆化し、陳腐化するのは危険だとしました。
大衆化されることによって、軽薄さと衰弱を生みだすと感じたのです。


当時はヒトラーがヨーロッパ侵攻を狙ってた時代。
ゆとりも余暇も遊びもないファシズムを見て、
危険だと思ったのでしょう。その経験をもとにヨハンは
「ホモ・ルーデンス」という作品を書き上げています。


ホモ・ルーデンスのルーデンスとは遊びです。
ホモ・サピエンスは「人間は理性があるから人間」、
ホモ・ファーベルは「人間は物を作るから人間」。



つまりホモ・ルーデンスは
人間は遊びをするから人間なんだよ
という彼の主張なんですね。


人間と動物の違いを一つ挙げるとするならば、
生存欲求だけで動く動物とは違い我々は踊り、
絵を描き、歌う。


物語を書き、それを読み、新しい概念を作る。
そういった生存と関係のないことこそ、
人を人たらしめているのではないでしょうか。




2 件のコメント:

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    記事読ませて頂きました~♪ 素敵な時間を過ごせました☆これからも更新がんばってください!!!またお邪魔しまーす☆良かったら私のブログも見に来てくださーい!!アメブロで仲良くしましょう☆

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    お邪魔しまーす☆ 素敵な時間を過ごせました☆これからも更新楽しみにしてます(´∀`∩)私はノマドライフをメインにブログ更新してまーす!!暇な時でも遊びに来てくれると嬉しいです♪

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