最近時事から離れ
過去の偉人たちの言葉を聞くばかりな毎日、
先日見た夏目漱石の講演の書き下ろし、面白かったので一部引用。
例えば思想の乏しい人の送る内生涯と云うものも色における吾々と同じく、気の毒なほど憐れなものです。いくら金銭に不自由がなくても、いくら地位門閥が高くても、意識の連続は単調で、平凡で、毫も理想がなくて、高、下、雅、俗、正、邪、曲、直の区別さえ分らなくて昏々濛々としてアミーバのような生活を送ります。こんな連中は人間さえ見れば誰も彼もみな同じ物だと思って働きかけます。それは頭が不明暸なんだからだと注意してやると、かえって吾々を軽蔑したり、罵倒したりするから厄介です
――しかしこれはここで云う事ではない。演説の足が滑すべって泥溝の中へちょっと落ちたのです。すぐ這い上って真直に進行します。
軽蔑する自分もまたドブの中にちょっと落ちてるんですよ、と言う所が抜け目がない(笑)
今の時代だと夏目漱石はマウンティング取ってる人だと言われるんでしょう。
それが、なんかもう、アレです。