2012/11/05

自己組織化と散逸構造





エントロピー増大則とは、世界は常に秩序から
混沌に向かっており、新しい秩序は生まれないといったもの。



ただそうなると、世界は常に壊れ続けるだけであり
宇宙すべての秩序はいつか消滅し、無意味世界となるだろう。



「世界(宇宙)はやがて静止する運命なのだろうか・・・?」



それに異を唱えたのが科学者である
イリヤ・プリゴジンである。



氏は「逆エントロピー」である無秩序から
秩序の事象転換が生じるという非平衡熱力学を提唱した。



無秩序(カオス)状態では決定論でない
選択が無限に連鎖することで、外部へエントロピ-を
流出させ、もう一つの秩序を作りだすことができる、と。



氏は、その構造を内部でエネルギーを
消費(散逸)させることから散逸構造論と名付けた。



この革命的な発見により、
宇宙は無秩序の海にならないという事が分かったのだ。



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ちなみに散逸構造では超局所的に小さな秩序を作る
可能性となる「ゆらぎ」が起こるという。



一見、その小さなゆらぎはほんの僅かな影響だが
「確実に」周囲に影響を及ぼすことができるのだ。



その小さな影響は、さらに周囲に影響を与え、
それがまた影響を与え・・・・と、連鎖的な反応を起こし、



そんな僅かな秩序を中心とした波及が
全体の構造に影響を与え、さらにその影響された周囲は、
中心である「最初の秩序」を強化するように働く。



これが「ポジティブ・フィードバックによる自己組織化」、
突如として大きな秩序が生まれる前には
小さな「変異」が生まれている、ということだろう。



これはミクロの世界においても
同じ現象になるのではないだろうか。
(塩沢由典氏も経済は散逸構造だと言っている)





最初は小さな産声かもしれないけれど、
それが時代の舵を切る可能性かもしれないのだ。





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