107歳まで生き、生涯作品を作り続けた芸術家です。
当時、平櫛の作品(そもそも彫刻)の依頼などなく、
何を作っても売れなかったと言います。
それでは生活がままならぬ、と言う事で
同業者を集め尋ねた先が、前回の記事にも書いた岡倉天心です。
岡倉天心の以下のようなアドバイスが
今後の平櫛田中の人生を変えます。
売れるようなものを作ろうとしているから売れないのです。
欲や自我にまみれた作品は二流である、
売れない物を作りなさい、必ず売れます。
資本主義の時代では考えられないセリフですね。
普通のコンサルなら「第一に顧客の需要を満たせ」と言われます。
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この言葉の意図はこうです、
売れる物を作ろうとすればすでに心が捉われている。
何とかして売ろうとすれば心は曇り、世事世俗の作品となる。
そんなものはかえって売れない。
はからいは捨てよ、捨てようとする意識さえも捨てよ、と。
高村光雲の技術指導と、そんな岡倉天心の教えを
平櫛は自己の思想に組み込み、構築しました。
それこそが、彫刻のうちに「理想」を表現するという田中芸術です。
有名な「幼児狗張子」
平櫛田中を名人たらしめたのは
こういった「師」がいたからこそではないでしょうか。
守破離の精神は茶道だけではなく、
日本流の編集文化そのものなのです。
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さて、芸術家と文化、ビジネスを結びつけるのは
ナンセンスだ、と思うでしょうが
現在、多くの企業が取り組んでいる「独自性」や
「クリエイティブ」な活動とは、まさにアーティスティックなもの。
無駄をそぎ落とし、極限にまで追求していけば
その
コンサルの理論しかり、飲食しかり。
どんな業種・業態でもそういえませんか。
つまり日本流の仕事とは表現(アート)になる。
女性はフラワーアーティストやネイルアーティストなど
実に多様な分野で表現されていますよね^^
接客業であれば、お客様という観客がいて
師事する人達は演じる俳優のようなもの。
いかに観客を楽しませるか?喜びを表現できるか?
商売は究極、そこにあるんじゃないでしょうか。
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