2016/12/10

呼吸する組織









20世紀を代表する名指揮者の一人、
オットー・クレンペラーは指揮棒(タクト)を
下ろす時よりも上げる時の方が大事だと言っていたそうです。




タクトを上げる時は必ず息を吸います。
我々素人でも真似してみれば分かるでしょうが、
息を吐きながら指揮棒を上げることは絶対にありません。




そして息を吸い切り、タクトを振り上げきった際、
指揮者は一瞬息を詰めます。



「             」




その時リズムやテンポはなく、
一見静止したように見えるでしょう。
しかしその空白には次の動きに転ずる
エネルギーが凝縮されているのです。





そんな静寂の支配を
「アウフタクト」と呼ぶみたいですね。
(違ってたらごめんなさい)








前回お伝えしたように「呼」と「吸」の
間には大きな秘密があると個人的に思ってます。



見れば体操や演技、演舞なども
間から踏み出し一つの作品を完成させてますよね。



初動から圧縮された間に観客も
無意識のうちに合わせ、息をのむ・・・・
そこからピシッと決まった時初めて
息は吐き出され、我々はスッキリとした
快感を感じるのです。



なるほど、フィギアスケートの羽生選手が
能楽師である野村萬斎さんに教えを請うたのは
「間」が表現の世界で共通しているからかもしれませんね。







この間が中途半端になれば不満が残り
モヤモヤしてしまい、逆に詰め過ぎれば
切迫して焦らされているような気持になってしまいます。




説明会やプレゼンをした人なら
分かるでしょうが、間を外したら
グダグダでモヤモヤですよね(笑)
初対面の人との会話だって似たようなもんです。




僕はまだヘタッピなのでよくありますが、
上手なプレゼンターは内容ではなく
拍子によってスッと引き込ませてます。



つまり収縮と拡散のリズム(抑揚)を掴んでる、と。
これがないと棒読、校長先生状態になっちゃいます。



☞☞




さて、こういったリズムは職場にも存在し、
有機的な組織は特に強く現れてます。
「いつ、何を、どうするか」はまるで
見えないタクトによって決定されているかのようです。



ちなみに僕がサラリーマンだった時の
会社は忘年会がある日だけ、できてました。
その日だけ活気があって、迅速で、風通しが良い(笑)




今まで大小いろんな組織を見てきましたが、
この活気と業績は少なからずリンクしている気がしますね。



お互いの動きばかり監視し息の詰まるような
組織や過呼吸のように不安定な組織は
離職率も高いし変な場所からトラブルが起こる。



逆に非常にリラックスして呼吸ができる
組織は比例してフットワークも軽いです。



不思議ですが、
多分にそういうものなのでしょう(゜゜)







呼吸のリズムは自然のリズム。
その自然のリズムとは循環、螺旋です。



これは組織だけでなく、我々個人だってそう。
情報を吸いっぱなしでは頭デッカチ。
吸わずに吐いてばかりでは見切り発車です。



そこで前回お伝えした「あいだ」の役割によって
自然の数3になる、と。反面、理性(人工)の数は
四象限のような偶数。それは割り切れるのです。



弥栄モデルは感性派生から理性、
そして円環が閉じた状態(間)からの
志向性なので自然数3。呼吸してるんですよ。





・・・・・マニアックになってきたので
今日はこれくらいで(゜-゜)




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