2015/09/02

理念の共有とは正解の共有ではない




「私にとっての幸せとは何か」



これは青臭い考えだと言われていますが、
まさに現代の悩みはこれに尽きるでしょう。



では質問。
その私にとっての幸せというその「私(じぶん)」とは、
一体何でしょう?




この最初の問い(根幹)が分からないまま、
別の問い(枝葉)を出している。
だから人は迷うのかもしれません。




というわけで、今日はunreveの
リゾーム派生式FC構築論、
「理念」についてのおさらいです。









さて、(極端ですが)科学は答えを導き出す
学問である反面、


哲学は答えではなく、上記のような
「問い」を立てる学問だと言えます。



現代はこの「問い」が面倒なようで、
すぐさま正解をセミナーやgoogleに求めてしまいがちですが、



「人生とは何か」みたいなものに
正解はありませんよね。



なぜならこれは「問い(問題)」だからです。
誰に聞いても分からないもの。



なるほど、ベルグソンは問題を出すこと自体が
一番難しく、うまく出された問題とは
すなわち答えでもある。と言ってます。



ベルグソンに傾倒した小林もまた、
「学生との対話」でこう書いていますね。



言葉ぐらい人間を助けているものはないけれども、
こういう便利なものはいつでも人間を惑わしますね。


いつでも、物には裏表があるのです。
理性はこんなに人間を助けているけれど、


人間は助けてくれるものの虜になるんです。


不思議です。
だが、こういう不思議を解く人はいません。解けないよね




近代は科学に傾倒しすぎたせいか、
定義できない、正解のないものに対しても、
同じように「正解」を探してしまうのですが、




この正解が「どこかにある」と思ってるから、
青い鳥探しになるんですね。




ただ、自分の代わりがどこにもいないように、
自分の幸福を誰かが代わりにやってるわけ、ありませんわ。



☞☞☞



そもそも答えを見つけることは簡単です、
1+1の解(2)を見つけるなんて、子供だってできます。



この「2を探すこと」に必死になってるということは、
「正解を早く知ろうと焦っている」心の現れでしょう。



しかしプログラムと違って、幸福には
正解もなければ、最短なんて概念もない。



例えば旅行ツアーに行ったとき、
最短で名所を回るルートは一つか二つでしょうが、



それに興味がない人にとっては、
回るルートは全然違うわけでしょう。




☞☞


閑話休題
本題に入ります。



今日のテーマにあるように、私の考える理念も
明確かつ数値的なものではありません。
それは単なる達成目標です。



数値的な達成目標なら、共有は簡単です。
「クラスで優勝を狙うぞ」のように、学校でもやってます。



しかしunreveでの理念とは「絶対的幸福」。
この絶対的幸福に正解なんてありません。



「絶対なのに正解はない?」と思われるでしょうが、
これは長くなるし、言葉で書くと濁ってしまうので
あえて書きませんが、




理念の共有とは、言葉じりをいじくれば
一度に全員が共有できるようなものではないんですね。



☞☞



そこで大事なのが「問い」です。
理念の共有とは各自が自分の内部に打ち出す
「問い」の中にあります。



それが生まれる環境を構築するのが「場の形成」です。
つまり理念の共有とは正解を共有するのではなく
「問いを共有すること」なんですね。



その志向性がマイナスに向かうわけありません。
たった一つの正しさを共有しようとするから、マイナスになるのです。



故に、そこに無秩序はなく、自然派生的な「秩序」がある。
それを僕は「自由秩序」と呼んでいます。



自分のフィルターで解釈したものを絶対とせず、
志向性さえ合わせれば、自由と秩序は対立しないんですよ。



☞☞



これは育児でも同じことがいえるでしょう。
「あれをするな」、「これはダメ」、「こうしなさい」と
子供は正解と不正解ばかり与えられます。



そこで「自分で自由に決める」という問いを
持たせることは、心の形成にとって重要なことです。



なぜなら「自分の事は自分で自由に決める」
という教育は大人になるにつれ、



「自分の人生もまた、自分で決める」という思想に
繋がるからです。



そこには必然的に「問題」が生まれますし、
問題が生まれれば、嫌でも問わずにいられないでしょう。



また、相手の決定した自由と
衝突することもあるかもしれません。




それ自体は悪いことではない。
悪いのはその衝突から「正解」を決めることです。




よって、先に答えを出してやるのは
優しさとは言えません。相互解決力を奪い、
正解依存になってしまう可能性がある。





とまあ、僕の支援はこんな感じでやってます。
あくまでも個人的な方法です(゜゜)





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