2015/02/08

言挙げと独楽(補)

前回の「言挙げと独楽」の補足。




現実を「情報として」理性で捉え、判断し、
理性によって構築することの危険性を前回、考察してみた。


理性は常に正解を探したがる特性がある、という事だ。
宿主(言語)の身を守るためである。


例えば、私は国家に対して不信感情をもっているが、
仮にその感情を「理性」に任せると相対・分別的となってしまう。



相対である以上、同質同量の対極概念が同時に生まれる。

よって、原発賛成派と、反対派が存在するし、
集団的自衛に賛成派もいれば、反対派もいるのだ。


ディベートは理性派生であるから、お互いに正義が成り立つ。
(当然、その正義は歪んでいる)

ただ、いったん、右と左(相対)に分かれてしまえば、
あとは水平性、堂々巡りだ。



右も左も、真ん中もどれもが一致せず、
かといって妥協もできない。

政治討論を見れば、容易に分かる。
持論を必死に守る、どんな詭弁をも使う。


理性の思想とは堅固なものなのだ。




結局、頭でっかちは いつも水平線。


損得・自我・目先・打算・利己を超えるのは
感性であり、人格であり、それは個人が自ら手にするもの。


曖昧な感情は、その独自の伝達手段を
持っていない、だからこそ「思想」が必要なのである。


それは軸となり、土台となり、共有価値となる。
それは自身に対する「純真無垢」の問いかけの答えなのだ。


☞ ☞


どうして○○したらダメなの?
どうして○○しないといけないの?



思想と書くと大げさだが、極論こんなものである。
別に哲学的に難解な事を考えるのではない。


上記のような「純粋な問い」に対する答え、
それが生き方の規範となるのだ。


「何でもオールOK」、「大丈夫、大丈夫」
「ツイてるツイてる」という肯定・解放軍の皆さん、


分別ない、無邪気な子供からの問いにも、
同じように答える事ができますか?







我々は常に選択し、判断しなくてはいけない。
日々、大小様々な問題に対し常に迷い、決定している。
(保留も「何もしない」という決定である)



それは会社の飲み会の誘いから、
神はいるか、否か」まで様々であるが、



それらを最終的に判断し、決断する
最も肝心な要素は上記の「答え」なのだ。



その回答は、やがて制度を構築する。
マクロ然り、ミクロ然り、西洋然り、東洋然り。

例えば、教育にせよ、経済にせよ、何にせよ、
「制度」には必ず「思想」がある、無思想の制度などありえない。



制度(システム)は「思想」がないと成り立たない、
故に、制度の土台(根茎)と「思想」はイコールなのだ。


さらに言えば、今のシステムが古い、というのは
「その思想は昔の価値観ですよ」という事であり、


それら全てを新品に交換するのではない。
そこには普遍のベースが存在している。


これはフラクタルであり、個人にも当てはまる。
無思想では、我々は何も決定する事ができない。


よって思想がないと自律はできないのは当たり前の話なのだ。



それがないと一貫性がなく、自制心は脆弱となり、
生き方も定まらない。



問題なのは、これらが養われていない事である。
今までの教育は軍事教育、「画一化製造(洗脳)」、



以前はそれを「イデオロギー」で補完していたが、
それはもう崩壊し、通用しない。



では何を以って養うか。
これに答えている多様性推進派の人は少ない。



元がなければ子が生まれる道理はない。
そして現在の多様な思想には肝心の元がない。



文字通り、「元も子もない」のだ。


本来の教育とは、小さい頃の素朴で純粋な問いを
深い思索で練り上げ、洗練したものを伝えることであり、

その共有化された価値から派生したものが「価値観」である。
犬派、猫派も根本に「動物が好き」がないと、意味がない


その「元」となるものが、先人達の結晶であり
継承されるべき価値ではないだろうか。



余談だが、現在の犯罪は異常な動機から起こる、
それは変質ではなく異質、質そのものの変態である。



言わばベースそのものの崩壊かもしれない。




☞ ☞


「意志や感情の立場から」理性を構築することが
脱マネジメントであり、感性であり、リゾームである。

逆に理性や損得の立場から」感情や意志を構築していたのが
今のマネジメントであり、支配・被支配の相対であり、ツリーである。


前者であれば倫理が成り立ち、
後者であれば道徳が成り立つ。



前者であれば多様を認め合い、
後者であれば小さなカテゴリーが増えるだけだ。



「僕らって特別だよね」と
小さな会議室で共感し合うのは小さな宗教である。


「古い時代を全部ぶっ壊そうぜ」と
0か100かで判断するのも同義、




そんなカテゴリー内に限定された「ありのまま」は
僕はどうも好きになれない。




3部に渡って書いてみたが、
やはり言語化すればするほど、おかしくなる。




長文に付き合って頂いた方、
失礼しました。






1 件のコメント:

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    失礼します(´・ェ・`)ECO事業を中心に活動しているイダと申します!今後とも宜しくお願いします!

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