秋深き、隣はなにをする人ぞ
(秋深きこの時期に欠席しまいましたが、
みなさんは何をやってますか?)
病気のため俳句会を欠席した芭蕉は
参加した人たちに向け、この句を送ったと言います。
実に人間的ぬくもりが感じられる句ですね。
さて、秋の植物と言えばご存じ「ススキ」。
この国に古くから存在しているイネ科の植物です。
麻と同様、非常に優れた植物で、漢方薬や
家畜の食用として使われていましたし、
かやぶき屋根の材料としても使われていました。
そんな馴染みある植物がススキだったんですが、
戦後アメリカからの外来種である
セイタカアワダチソウによって、絶滅寸前にまで
陥ってしまったことがあるようです。
その名の通り、ものすごく伸びて
黄色の花を咲かせるこの雑草、
みなさんも一度は見たことありますよね。
僕の地域の河川敷はセイタカだらけです。
この植物はアメリカの厳しい大地で育っているので
非常に生命力が強いんですって。
現在、日本で一番繁殖しているとのこと。
ただ、それは強さと言うよりも排他的なものらしく、
その根から他の植物が寄ってこないように
土に毒性を撒き、自分だけが繁殖できるようにしているようです。
だからあれだけ群生しているにも関わらず、他の植物があまり生えてない。在来植物だけでなくモグラやミミズなどもいなくなり、食物連鎖が起こらない
痩せた土壌となってしまった、と。
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しかし、ここから先が面白い。
まるで漫画のような展開なんですが、
最近、セイタカアワダチソウ自身が
自分の根から出す毒素によって自滅しはじめたのです。
そして一時期絶滅の危機に瀕していたススキが
毒に汚染された土を取り込み、分解していきます。
なんと、今後はススキの方が繁殖し始めているんですね。
しかもセイタカ(略)は拡大を抑え、
共生に向かっているという不思議な現象まで起こっていくのです。まるでナウシカ的な展開じゃないですか。
共生の原理って、
多分に植物も動物も変わらないんでしょうね。
腐海の木々は大地の毒を体に取り込んで
綺麗な結晶にしてから死んで砂になっていく。
なぜ、中秋の名月である十五夜にススキを飾るのか?
その答えがここにあるのかもしれませんね。
「後記」
古来、この国には様々な文化が入り込み、
時には侵略しようとしていましたが、全て失敗していますね。
今もまたGHQの思惑通りに行かず、自滅しようとしている。
不思議ですね、多分にこの国はそういうものなんでしょう。


