2010/09/14

暖簾分け


日本の退職金の始まりは江戸時代。
現在の三越(旧三井グループ)が始めたという「暖簾分け」が起源だと言われます。



店で働いている奉公人が独立して店を持つ際、
その手助けとして、現物支給でのれんを渡してたのが発祥なんですね。



それが、長年の勤労へ対する報奨として
現物から退職金というお金になりました。




暖簾とはお店の屋号を記すことから
信頼を意味するんですね。





今回はその「暖簾」について。
FCとは暖簾分けだと思っているunreveのグッさんです^^










さて、暖簾分けは料理の世界では特にさかんに行われています、
有名料理人のお弟子さんがオープンさせた店とかよく聞きますよね。



これはその店の味、その店の技術を守って行きたい、という
純粋な継承スタイルだと思うのです。



フランチャイズと書くとビジネス寄りなんですが、
暖簾を分ける、というとなんだか人間味が出てきます^^




成功とか投資の概念だけでは本部と加盟店は
どうしてもステークホルダーの枠が出てくるんですが、




この味・このサービスを自分の住む地域に伝えたい!
という加盟店側の意識なら、ずいぶんと違ってきますよね。




そう考えると暖簾とは、親から子。孫からひ孫へと続いていく
家系図と似たようなところがあります。




何百年と続く歴史が暖簾という形に凝縮される、
これって日本的な情緒があると思うのは僕だけでしょうか^^?



お店が繁盛した。その店にほれ込んで弟子ができた。
その弟子が独立した時、同じ名前(暖簾)で増えていく。



そこに縦割りの組織体系とか中央集権とかはなく、
受け継ぎたい、伝えたいという気持ちだけです。




□■□■□




そこから生まれる「守・破・離」の精神、




「守」とは、師に教えられたことを正しく守りつつ修行し、
それをしっかりと身につける。



そこからの「破」で、師に教えられしっかり身につけたことを
自らの特性に合うように修行し、自らの境地を見つけ、



それらの段階を通過し何物にもとらわれない「離」へ向かう。







うーん・・・実にいーです( ̄▽+ ̄*)ジミジミ






ちなみに蕎麦屋さんって、
昔から暖簾分けの文化が根強い、と言われます。




でも味が同じかというとそんなことない。



しょっぱいものを好む地域とか
甘いものを好む地域とか、


量が多いほうがいいとか、逆に少なくして上品なほうがいいとか。
その地域地域の特性に合わせて商品を作っているので、
結果味も変わっていくらしいですね。



ただ、暖簾の精神が根底にある。
「こういう所を大事にしてる」とか、「この精神でやってる」と。




それって理念共有の一番大事な部分だと思うんです。
だから同じ屋号でもコピーではない、
FCのサービスの統一とは全く違う部分ですが、




僕はこれが一番大事な「お客に対する心配り」だと思うんですよね。
FCにしても同じ事が言えるんじゃないでしょうか?




FCの既成概念をここまでぶっ壊すのは僕くらいなんですが、
実用・現場主義で考えるとこれがベストな気がするんですよね。


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