2012/07/02

平櫛田中について

彫刻家に平櫛田中という名人がいます。
107歳まで生き、生涯作品を作り続けた芸術家です。


当時、平櫛の作品(そもそも彫刻)の依頼などなく、
何を作っても売れなかったと言います。


それでは生活がままならぬ、と言う事で
同業者を集め尋ねた先が、前回の記事にも書いた岡倉天心です。


岡倉天心の以下のようなアドバイスが
今後の平櫛田中の人生を変えます。


売れるようなものを作ろうとしているから売れないのです。



欲や自我にまみれた作品は二流である、
売れない物を作りなさい、必ず売れます。



資本主義の時代では考えられないセリフですね。
普通のコンサルなら「第一に顧客の需要を満たせ」と言われます。




☞ ☞ ☞




この言葉の意図はこうです、
売れる物を作ろうとすればすでに心が捉われている。
何とかして売ろうとすれば心は曇り、世事世俗の作品となる。




そんなものはかえって売れない。
はからいは捨てよ、捨てようとする意識さえも捨てよ、と。




高村光雲の技術指導と、そんな岡倉天心の教えを
平櫛は自己の思想に組み込み、構築しました。


それこそが、彫刻のうちに「理想」を表現するという田中芸術です。





有名な「幼児狗張子」





平櫛田中を名人たらしめたのは
こういった「師」がいたからこそではないでしょうか。




守破離の精神は茶道だけではなく、
日本流の編集文化そのものなのです。




☞ ☞



さて、芸術家と文化、ビジネスを結びつけるのは
ナンセンスだ、と思うでしょうが



現在、多くの企業が取り組んでいる「独自性」や
「クリエイティブ」な活動とは、まさにアーティスティックなもの。


無駄をそぎ落とし、極限にまで追求していけば
その製品は日本刀に代表されるような美しいフォルムの芸術作品となります。


コンサルの理論しかり、飲食しかり。
どんな業種・業態でもそういえませんか。



つまり日本流の仕事とは表現(アート)になる。



女性はフラワーアーティストやネイルアーティストなど
実に多様な分野で表現されていますよね^^




接客業であれば、お客様という観客がいて
師事する人達は演じる俳優のようなもの。



いかに観客を楽しませるか?喜びを表現できるか?
商売は究極、そこにあるんじゃないでしょうか。






1 件のコメント:

  1. SECRET: 0
    PASS:
    はじめまして(*´ω`*)良かったら僕のblogも是非見てもらえると嬉しいです↑↑これからも応援してます!

    返信削除