2012/04/04

雪の轍

ロイヤルホストが中国から撤退したようですね。

(朝日デジタルより)



原因は、より高い賃金を求めて従業員が入れ替わり、
調理や接客などのノウハウが定着しなかったためだ、と。


確かに、いくら高性能なオペーレーションシステムがあっても
ノウハウの定着・蓄積がなければ水泡に帰す結果となります。



当たり前の事ですが、ノウハウを定着・蓄積するのは
開発部でも管理本部でもなく、「現場で働く人たち」です。



ここを備え付けのマニュアルと教育テキストで
管理できると思う事自体が間違っています。



国内でも人材不足で悩んでいる所の多くが
「オペレーション」ありきなんですが、


そんな欧米輸入のチェーン理論でやっていたから、
こぞってこの段階で躓いているんですね。


根っこ(本質的な原因)はもう分かってるはずです。
しかし、どうにか転換しようにも、母体は大きくなりすぎてるし
「根っこ(リゾーム)」が深いため、容易には変えれないのでしょう。



故に、簡単で短期的な「お金」で解決しているんですが、
現在、お金だけでは人が集まらない。



皮肉にも、彼らは価格で人(お客)を集める事に成功し、
価格で人(従業員)が集まらないのです。




結果、数千万をかけて作った店舗や
赤字ではない「黒字店舗」が「空箱」になっています。



☞ ☞


このように、国内にせよ海外にせよ、
撤退する背景には不完全な運営状態による、
「らしさの喪失」があります。


今回の件しかり、以前のユニクロしかり、
誤解を恐れずに言えば、資本がある企業が
拡大しようと思えば、いくらでもできます。



事業の拡大自体はさほど重要ではないのです、
DNAをいかに引き継ぐか、これが重要なのです。



そのDNA(らしさ)が、継承すべき暗黙知です。
それは、ブランドやマニュアルとは違う場所にあります。

この概念を失ったまま、規模だけを拡大する。
それはもう拡大ではなく、単なる「肥大化」です。


肥満体になって「成長した」とは言えません。
逆にそれは「劣化した状態」なのですから。



☞ ☞



そもそも拡大の欲求は、人間の根源的な本能です。
よって、誰もがこの欲求を持っています。



それを抑えろ、ではありません。
本来の拡大の定義は「成長」という事を理解するのです。



ブクブク太りたい、という人なんていません。
この加減の定義が日本流FCの最大のポイントです。


膨張や肥大化は、ただの「暴走」であって、
風船やバブルのように、やがて弾けるのは必然、



有限の世界である以上、必ず飽和点があります。


昨今のM&Aを見れば、拡大なのか、肥大なのか
もはや分からなくなっている感さえありますが、



あちらにはあちらの事情があるのでしょう、
最近は静観することにしています。



☞ ☞



閑話休題
正しい拡大には必ず「最適値の見極め」が必要、
僕はそう思っています。


よってunreveは最適な状態を保つため、
日本流「型の継承」としてお伝えしています。



その型とは言わば、ラインシステム、
多様な要素を有機的に統合したものです。



多様が一本のラインと成る。
雪の積もる道をみんなが歩くことで、出来た道のようなイメージです。









その「らしさ」を継承するための「守破離の仕組み」であり、
場であり、間であり、拍子であり、馴染み、散逸、加減、自己組織化といった概念があります。



本に折り目をつければ、勝手に開くように、
まずはそれを繰り返し体感すること、それが「守」の定義です。





1 件のコメント:

  1. SECRET: 0
    PASS:
    遊びに来ましたよ!
    こういうブログのあるんだなって思いました★
    自分のブログも読んでみてもらえませんか

    返信削除