今宵はスーパームーンだそうな。
月はいつの時代も神秘的・美術的、
そして呪術的なシンボルであった。
いつの日か人類は月面に降り立つだろう、
その時、永続的であった月の神秘性は失われてしまうのだろうか。
今日はそんな小話でも。
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最近、上記の本をパラパラと読んでみた。
地球の有限性に対し、経済は無限性を前提にしている、
といった所から本題は入っている。
(ある意味)我々の世界は無限の可能性世界ではあるが、
住んでいる場所は限りがある、これには批判はないだろう。
マルチでもネズミでもなんでもそうだが、
西洋的なビジネスの前提には「無限∞」がある。
枯渇しようとしても、外部を内に取り込むことで、
さらなる発展飛躍となる、これがあちら側の言い分である。
なるほど、彼らからすれば願望は良き事であり、
自然は永遠に豊かであって、尽きる事はない、と。
多分、そう思いたいのだ。
そんな無限性は魅力的であり、魔力的でもある。
まるで月のようにその姿を変える。
もちろん、誰だって我慢はしたくない。
第一、我慢する生活はちっとも楽しくない。
それよりも楽しくダンスを踊ろうじゃないか、
例えそれが沈みゆく船中だとしても。
今までは、そんな楽観的原理でやってきたのだが、
それがただの願望だったと気付くより先に、
アメリカの経済は歪に膨れ上がり
借金は、すでに1.5京円を超えてしまっていた。
中国の中心部はもはや人が住めない状態となっている。
日本でもバブルは弾け飛んだ。
人類は、自力ではどうすることもできない所に
足を踏み入れてしまっているじゃないか。
それでも経済はリミッター解除を勧める。
「もっともっと!」、「まだまだ!」
☞ ☞
閑話休題
この本のテーマは「有限性」と人間の「欲望」の
積極的な肯定であり、哲学的な考察でもある。
よって様々な哲学者が登場する。
ホッブスにジョルジョ・アガンベン、見田宗介、
ヤスパースに吉本隆明に中沢新一に
アリストテレスまでと、その幅は広い。
(吉本隆明は個人的に好きじゃない)
贈与論が出てくる、軸の時代が出てくる。
自我から自己へと、個人のライフスタイルを変える
仏教的なものまで感じる。
なるほど、これはシステム云々ではなく
精神革命が著者のテーマかもしれない。
内容が複雑化するのも当然だろう。
言葉に出すため、悪戦苦闘しているのが伝わってくる。
☞ ☞
多分に、今が大転換の時代だからこそ、
我々は未確定から確定へと作り上げている最中なのだろう。
今日の満月はそんな我々の必死の変化を
気にも留めないんだろうな(笑)
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