2015/03/23
バカのすゞめ
養老孟子のバカの壁とは、自分の理解範囲内に
留まることで思考停止になったことを指すのでしょうが、
この「バカ」という状態、なかなかどうして、
深いものだな、と思ってるんです(笑)
「諸君、狂いたまえ」と言えば吉田松陰ですが、
この「狂う」だって、同じ様なもの。
端的に言えば「打算抜き」って事でしょう。
理性を使わないということではなく、
リスクを引き受けるってことです。
ビジネスではそういった行為を
ファーストペンギンといいますが、
未知に飛び込む勇気って、これからどんどん
必要になってくるんじゃないかしらん。
群れの中で最初に水に飛び込むペンギンがいる。
ペンギンの行動原理は分かりませんが、
我々の場合、自分の中にある自信とか意欲を
拠り所にするしかありません。
そんな個人の確信によって
新しいものは生まれてきたのでしょう。
☞ ☞
我々は年を重ねるとなかなかバカにはなれない。
世間や他人や地位や肩書を気にする
もう一人の「じぶん」が出てきますからね。
大人と言うのは様々な矛盾や世知辛さを
割合知ってしまった状態でもあるわけですから、
傍若無人には振る舞うことができません。
そうなると全体が矛盾しないようなものでないと
危なくて取り上げることができなくなってしまいます。
その点、若さというものは知識というか
歯止めとなる経験があまりない、
故に、自分の知らない事と抵触するかどうか
なんて、(良い意味で)意識せず考えずにできる。
だからこそ強く、夢中で入っていくことができるのでしょう。
そうすると、今まで人がやっていない所に
ふっと到達することが、ままあります。
大人が行けない所をさっと行く。
この理屈抜きの潔さこそ、若さの特権でしょう。
理性の監獄がまだ完成されていないのです。
ただ、それは年齢の若さによるものではない。
多分に、深く入り込むことで得た「ナニカ」に従っている。
そういう意味で、自分の中にある種の「愚かさ」は
保っておきたいな、と思います。
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