原広司氏という、建築の方が書いた本のようです。
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これは建築論、というよりも哲学。
まるでレヴィ=ストロースのような切り口です。
読んでいる途中、この本を勧めた理由が分かりました。
僕の構築論を暗喩的に表しているかのようです。
「集落が好むのは、不動なるものではない。絶えざる変化であり、展開である」
この分野でシビれたのはガウディ以来です^^
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氏の作品である「ディスクリートな社会」とは
全ての個人が自立し、全ての集団が自由に組み込まれるという、個人と集団が対等である社会。
言わばオーバーレイ、「重ね・合わせ」の世界です。
単一のシステムで社会がコントロールできないならば、
無数の価値観によって、社会は流動していきます。
つまり個人の思想には興味を示さない時代、
全体の批評性が消えつつあるのです。
ただ、それは見えざる秩序によって統御されています、
見えない秩序「ナニカ」がある。
曖昧だけれど、野放図ではない、
そんな、見えない糸のような秩序が全体を覆っているのだ、と。
それがオーバーレイの原則だと言います、
つまり求心的な空間の様相を作りだしているのです。
計算されつくしたデザインは矛盾から秩序を作り、
偶然性や自然発生的なものとなる・・・。
曰く、近代建築がある程度終焉を迎え、
誰も新しいイメージを提示できなかった際、
2つの方向性に分かれたと言います。
一つは今までと変わらない権威的なアーキテクト、
つまり寺院や宮殿のように、作り手が「ハッキリ」しているもの。
もう一つが集落や民家の様な
特定できない共有人格的に作られるアノニマス。
氏はどちらも肯定していますが、
秩序の作り方を後者(アノニマス)に求めたんですね。
うーん、すごい分かります。
建築は同じようなものを作ってはいけません、
という教訓なのかもしれません。
以前書いた、地方のロードサイドが
どこも同じ景観というファスト風土化論を思いだします。
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そこには境界というものが重要になってきます。
単に重ねるだけでなく、空気をも作りなおす。
やはり、場所には力がありますね。
unreveの場の理論にも取り入れさせてもらいます。
ありがとう、Y君。
また良いのあったらよろしくね(笑)
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