2017/06/26

古典になる条件






unreveホームページより。



昔の時代に書かれた本を「古典」と呼びますが
見れば古典という言葉は古いという文字と
「典型」という意味が重なってできています。


典型とは規範となる型、パターンのこと。
つまり古典とは「古いけど変わらないもの」を
書き現した本なんですね。方丈記や源氏物語、
万葉集に徒然草などは昔の歴史的な書物、過去の
概念ではあるんですが同時に歴史ではない部分もある、と。


例えば当時の生活などは今の時代と
まったく違ってます。しかし描かれる
「感情」は今も昔も変わってませんよね。


1000年前だろうと愛する者を失えば悲しみ、嬉しいときには笑う。



そんな感性の根源的なリズムは
まさに「典型的」です。だからこそ
古典は現代であっても我々の心に響くのです。


「君の名は」は古今和歌集をモチーフにした。



我々は生きる時代の影響を避けることができません。
さらに、受け取り方は個人によって全く違います。


ただそんな中、100年前・1000年前の時代に
書かれた言葉が大勢の人の心を打つ。



不思議ですがそれだけ時代を超え、日々新たに
続いていく力を持っているということでしょう。
僕が古典が好きな理由でもあります。



今の時代でもそんな力を持った本が生まれたら良いですね📖




「おまけ」 


ちなみに「方丈記」は一般的に鴨長明の
住んでいた家の大きさだったと言われます。
広さは方丈(十尺)、高さは七尺というとても
狭い家に住んでいた、と。


しかしあれば人間の典型を描いているんですな。
長明は人間というものは本能に任せれば
すぐに短絡的な行動をしてしまい災難や事故を
起こしてしまう存在だと考えてたんです。


そういった本性・本音の広さに比べ、
正気という正常な状態は本当に僅かなもので
「方丈」くらいしかない、と。


つまり「まっとうな生き方は確かに
窮屈なものだけど 私はそれが良い」
という、彼がたどり着いた思想でもあるんですよ。




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