2016/09/19
支配しないと気が済まない病
自分の物質的な力に浮かれ、もはや自分の勢力の
十分なはけ口が自身の中にないと感じた、
どこかで屈従の身にあるものを助けたいと思う
支配欲を潜ませた、あの干渉趣味。
フランス第18代大統領であり、ドゴール主義の
生みの親でもあるシャルル・ド・ゴールは、
アメリカ人の性癖をこう表しました。
実にくだらん理屈ですね。
結局「あたま」でやるから、おかしくなるわけだ。
(まあ、西欧人も似たようなものだけど)
自意識の衝突はひとつのドラマを
作るでしょうが行き尽く先は同じ場所、
「攻撃するか、逃げ出すか、くたびれるか」。
これは狩猟民族ならではの考えとも言えますね。
彼らは人間と家畜との間に絶対的な断絶があるように、
「わたしと○○」と、区別をしたがる習性があるのです。
そして「わたし」は常に一番でなくてはならない。
「有色人種」と「白人」は同じだと思わず、
残虐な行為を繰り返していたのも、
そんな優位性と支配欲からくるものでしょう。
それが「崇高な理念」によって正当化される、
これは今でもさほど変わってませんね。
西洋の根幹はバイキング、どれだけ他人からぶんどってくるか。
下手すれば恋愛だってそうなる可能性もありますね。
愛に盲目になり、溺れ、大火傷した経験がある人なら、
自意識がどこに向かうか分かるんじゃないかしらん。
まあ、恋愛はそれがあるから楽しいと言えるけど、
男女問わず「わたしが一番!」みたいな人と
関係性を作れるのは極端な「自己犠牲の人」くらいなもの。
支配しないと気が済まない病と、支配されて安心する病。
支配と被支配でちょうどニコイチ、±0。
ただ、それは同じ円環をぐるぐる回るだけ、
虚無的で退屈な人生になってしまうのは当然です。
そんな精神の頽廃から冒頭のような
「人助けという名の干渉」をするんですが、
なんとも悪趣味な救いじゃないですか。
我々は人生を自分のものにしてしまうと、
好奇心も恐怖もおどろきも喜びも忘れてしまう。
~三島由紀夫~
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