三菱自動車の燃費試験データ不正問題。
激化する燃費向上競争の「焦り」もそうですが、
それよりも隠蔽体質の根の深さが、今回の件で分かります。
燃費データ不正 株価が急落、終値15%安
(毎日新聞さんの記事より引用)
組織風土を変えたい、改善したいと
思っている経営者はたくさんいるでしょうが、
なかなか思い通りにならないのが、この風土。
実態がない以上、社内規則を変えたり
コンプライアンスを徹底させたとしても、
全ての行動を網羅することは不可能です。
組織には真面目で誠実な人が
たくさんいるのに・・・・なぜでしょうか。
一度ついた企業の「負のイメージ」は
購買の不安を引き起こします。
インターネットによって、
その感染力は一気に加速するでしょう。
(いつもマクドナルドを例に出すのも何ですが)
消費者はたとえ「もう大丈夫です」とアナウンスしても
全てが胡散臭く見えてしまう人が多いのではないでしょうか。
「暴力振るうけど、実は優しい人なんです」と
似たようなもの。
「燃費は嘘ですが、他の性能は安心です」と言って、
誰が信じるのか、と。
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こういった「不信感」を与えてしまうことのないよう。
まずは組織の「土」を耕す必要があるのではないでしょうか。
個々の姿勢であり、行動であり、生き様の総体が
組織の姿勢であり、行動であり、生き様である以上、
風土とは個々の「在り方」から派生します。
ここでよく、組織内に漂う「空気感」が
社員の行動を導くので「空気が原因だ」と言いますが、
「では、その空気はどうして生まれるのか?」
と聞いても、答えられないのではないでしょうか。
空気なら、入れ替えればいい話でしょう。
ボスを人事異動すれば解決するはずです。
しかしそれは根幹ではない。
だから「トップ交代後も、体質は変わらず」となるのです。
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個人的に、その根幹を
「理念不在の志向性」と見ます。
理念なき志向性が「売り上げアップ(回復)」であれば
マクドナルドのような手段になり、「競争で勝つ」であれば
今回の件となる。
しかし両社のそれは目的ではありません。
言い方が悪いのですが、手段ですらないでしょう。
それはあくまでも「結果」です。
結果論を目的化すれば、どこの組織も歪みが起こります。
例えばリンゴの種を机の上に置いたまま
「早く実になれ、早く実になれ」といくら念じても
実はなりません。
一度失った信頼や消費者の不安を回復させるのは、
リンゴを育てるように時間がかかるのです。
そこで待ち切れず「獲物を捕まえるしかない」と、
狩りに出てしまうのですが、
一時的な回復こそすれど、同じ過ちを繰り返してしまいます。
ちなみにこれは優秀な社員を抱えている
大企業が陥りやすい罠。
その優秀さによって、劣悪な風土を
さらに強固にしている場合があるのです。
☞
本来の理念は企業を支える大黒柱です。
永続的な志向性を生み出す精神的な指針です。
最適な組織の体質を作りたい、
組織の体質を改善したいという方は
コンプライアンスを強化する前に、
自社の理念を確認してみてはいかがでしょうか。
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