2015/08/01
対話編 ~嘘と依存~
「最近、TPPが話題になってるね」
「そうだな」
「君は最近、政治から離れちゃったけど、
これについてどう思ってるの?」
「別に」
「沢尻か。
まあ、答えは大体分かるけどね」
「ゲスの極み。以上」
「やっぱり(笑)」
「デフレ状態や不況になれば民主主義国家は
自国を守ることに必死になる。
つまり利己的になるのは間違いないよな」
「自分の国の安定が最優先になるってこと?
まあ、普通に考えるとそうだね」
「そうなると、世界不況である今の
グローバリズムは特定のナショナリズムだと言えるよな」
「・・・・・・」
「言うまでもないが、今はアメリカのご都合主義。
TPPも、安保もその一環。こんな大義名分、
視点を変えれば利己的だってすぐ分かる」
「でも仕方ないよ。親分が元気にならないと
子分も元気にならないし」
「あのな。もう、成長できないのを米国の動向や
少子高齢化のせいにするんじゃないよ」
「・・・・・」
「経済はもう昔のように成長しない。
目を背けずに見てみろ。
余剰、余剰、余剰で溢れかえってるだろ」
「まあ・・売れない家電とか車を
ずっと作って、売上作ってるのは知ってる」
「この間、たまたま東芝が明るみになったけど、
あんなもん、大なり小なりどこでもやってるだろ。
株主の為、利益最優先の企業ばかりだ」
「・・・・・」
「今の大手は「何を欲しがるのか」など、ニーズを探す時じゃない。
需要と供給のバランスを正確に把握し整える。これが先決だ」
「新しい価値を創造すればいいんじゃないの?
例えば、ロボット産業とか」
「そりゃまだ先の話だし、論点が違うし、
そもそも機械が雇用を奪ってしまえば本末転倒だ」
「人間しかできない価値を生み出せば
比例して雇用も増えるんじゃないの」
「ここが曖昧かつ重要な部分だ。
全員がその価値を生み出せると思うか?
間違いなく、ごく一部のスペシャリストだろうな」
「確かに。仕事ってルーティンワークが大半だもんね」
「今だって、単純作業は低賃金の海外に任せてるだろ。
これと同じこと、資本主義に労働分配の倫理はない。」
「あるのは利益の最大化だけ、か。
確かに、給料減らしてまで雇用を作ろうなんて
誰も思わないからね」
「まっとうな感覚で想像すれば、
それは格差しか生まれない。
そして格差がある社会など、まともじゃないんだ」
「だけど資本主義は格差を作り出すしかない」
「付加価値戦略なども基本インフレ、
成長率が上がってるところの限定的な需要拡大だ。
国内で売れるのは廉価なコモディティくらいだろう」
「あ、中国の爆買いね」
「発展途上なら国内の商品にもの足りなくなって
じゃあ、日本製の高品質の商品でも買おうかしらって
流れになるだろうけど、成熟期の先進国はそうしてるか?」
「三種の神器みたいな必須のニーズはないね
「世界は同時多発的に不況なのだ。
売れないんじゃない、作りすぎてるんだ」
「その買い手を広げるのがTPPか」
「さらに中国の成長率が止まれば、米国債の買い手がいない。
例えが悪いが、米国は末期ガンだと思っていい」
「途上国によって今の先進国の
成長は成立・維持できてる、ってことだね」
☞☞
「先進国の現状を見てみれば
物は溢れかえって、在庫と廃棄の山。
個人的にこれが最大の害悪だと思ってる」
「そういや聞いたことある。先進国の廃棄食材量は
世界の貧困を何回も解決できるって」
「大量の食材を輸入して、大量に捨ててるのだ。
日本はこんなに小さい国なのに廃棄量トップクラス。
これはね、とんでもなく恥かしいことだよ」
「もったいない、って言葉を作った国だから
なおさらだね」
「痩せ細り、餓死する途上国と
ぶくぶく肥え太る先進国の一部の裕福層。
これが資本主義、グローバリズムの現実だよ」
「どこかを貧しくしないといけないんだろうね」
☞☞
「その資本主義がそろそろ終わるって言いたいんだ」
「そう。そしてそこから先にあるものを
僕は信じてる。だから将来は良くなると思ってる」
「今のシステムが崩壊した後を期待してるんだ。
でも、資本主義って本当に崩壊するのかな」
「そもそも相対的な価値は流動的な
概念である以上固定できない。
それを貨幣で固定してる時点で間違ってる」
「それは分かるよ。普段買う水の値段と
砂漠の中で買う水は価値が違うもんね」
「まあ、これについて書くと長くなるので
割愛するが、消費の歯車が止まるまでの寿命だと思うよ」
「大衆の欲望を喚起させ続けた先には飽和がある、と」
「飽和という概念を知らないのか、知ってて認めないのか
あいつらは際限ない豊かさを求め、掘り続けようとする」
「そりゃ、発展と進歩と拡大の国家だから」
「秀吉と同じだ。やがてゼロサムになる。
水筒にある水を足りないと思ってるのか、
頑張れば増えると思ってるのか知らんが、間違いなく限度はある」
「つまり水筒一杯の水っていう、誰にとっても
変わらない事実を見つめないといけないってことだね」
「人間は自ら信じたいものを真実として
受け入れる、つまり人数分だけ真実があるのだが、
それと同時に不安や迷いも同じように増えてしまう」
「でも、それが多様性ってことだよ」
「異なる多様な真実は、調和的真実があって
初めて成立するものなんじゃないかな」
「その調和的な真実へ回帰しましょう、ってことだ」
「じゃないと、金や神仏像を真実にして依存してしまう。
神を騙り、金を動かすのはいつの時代も権力者だ」
☞☞
「ちなみに、聖書とかにある予言とか信じてないの?」
「もちろん、他人が信じるのは勝手だけどね」
「神道と言えば、有名な予言書があるよね」
「日月か。ネットではかなり有名だな。
中には古神道だと言ってる輩もいるようだが」
「君以前、一万くらいの本買ったでしょ。
あれについて、だいぶ調べたんじゃないの?」
「さて、どうだかな」
「おせーて、おせーて」
「一つ言えるのは、こういったものには
必ず世界の大混乱と、救世主の存在がある」
「そうだね。世界がパニックになったとき、
正義の味方が出てきて救われ・・・・・」
「正義の味方って誰にとっての正義だ?」
「・・・・・・誰だろ」
「こういった話の根幹は1つ。
依存した大衆はそれを「待ち望む」ということだ」
「アセンションの時もそうだったけど、
そんな未来、待ち望んじゃだめだね」
「大事なのは、依存による惰性をなくすこと。
ハイアーセルフとか高次の繋がりとかワンネスなどが
エゴと依存の産物だと分かれば、人の教えなど求めなくなるよ」
「まさに自己中神、中二病みたいだけど(笑)」
「さて、話が逸れだしたからもうやめるか」
「そうだね、もう3時だしね」
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