タイタニック号は1912年、イギリスから
ニューヨークに向かう途中、濃霧で見えなかった
大氷山に衝突し、沈没した豪華客船として有名ですね。
今でこそ、我々はこの事故の原因を知ることが
できますが、当時の乗客や船員は誰も気づきませんでした。
航海中、船旅を楽しんでいる乗客は
ダンスホールで踊り、豪華な食事を楽しみ、
機関室でメンテナンスを行っている機関士にとっては、
何事もなく順調な船旅です。料理長は明日のメニューを考えていたでしょう。
船に乗り合わせているそれぞれの人が
それぞれの現実を生きていたのですが、
船から離れて見た場合、その現実観は全く違っていたのです。
目前には氷山が待ち構えているけれど、
濃霧で先は全く見えません。
このまま行けば衝突。
これが「本来の現実」だったんですね。
政治哲学者であるダグラス・ラミス氏は
目前の現実しか見ようとしない態度を
「タイタニック現実主義」と名付けていますが、
この「現実離れした現実主義」に
陥ってしまう可能性は誰にでもあるような気がします。
今「どこにいて」、
「どの現実」を見ているか。
中にいるか、それとも上空から眺めているのか。
自分で判断するのは難しいですね。
☞☞
最近、世間が騒がしい。
情報化社会である以上、嫌でも入ってくるのですが、
その現実とはまた別の現実を感じてしまう、今日この頃です。
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