2014/03/04

自己と非自己

unreveの坂口です^^




さて、東南アジアを旅行した人なら分かるでしょうが、
日本人が現地の水を飲むとお腹を壊しますよね。



しかし現地の人達は平気です、これは日本人が
弱いのではなく、現地の人に耐性がついてるんですね。
免疫の本質でもあります。




免疫学者である多田富雄氏は、
病気には部分(部品)と全体(関係)がある、と定義しました。




部分が治ったからといって、関係が治るとは限らない、と。
癌もそうですよね、切り取ったからといって治るとは限りません。



氏は自己組織化についての造詣も深く、
メタ的な視点からスーパーシステム論なるものも提唱されていました。
(もう氏の著書が読めないのが残念です・・・)



今日はそんな、免疫と自己組織化についての小話を。



生命の意味論/新潮社





さて、「免疫力を高めるには○○で!」などの
本やセミナーが巷で賑わっていますが、



免疫とは冒頭でいうような
「自分の肉体を守る」システムという側面の他に、



「自己でないもの(非自己)」から、
「自己」を区別し個体を決定する側面も持っています。



その自己とは曖昧な境界によって変容した状態です、
よって、自己と非自己の境界ははっきりしていません。



前回書いたように異物(非自己)が
排除されないのも、こういった曖昧さがあるからなんですね。



これはイリア・プリコジンの、
ゆらぎによる散逸構造(宇宙の仕組み)に類似しています。



システマティックのようでもあり、ファジーでもある
二項が同体することで、ダイナミズムな生命を表現している・・・



凡庸的な言い方ですが、
我々の体もまた、宇宙の相似(フラクタル)なのでしょう。








さて、氏によれば、免疫は脳よりも高次なものであり、
あらゆる自己は免疫によって決定される、と言います。



自己(思考)を支配している脳が決定しているようですが、
それは間違い、と言う事です。



免疫系によってその「意志」は
非自己」として排除されてしまう場合もある




脳は免疫系を拒絶できない反面、
免疫系は排除することができます。



どれだけ素晴らしい人の教義でも、
我々は素直に受け入れられないんですな。



つまり頭(脳)では分かっているけど、免疫が拒絶している、と。



そこで脳を「支配者」、免疫を「非支配者」と考えた場合
面白いことがわかります。



国家でも、企業でもそれを構成しているのは
リーダーではなく、フォロワー。言わば「免疫側」です。



その免疫力が下がれば、全体が低下します。
これは企業の衰退、国家の没落も同じでしょうy。



冒頭に書いたように、部分だけを排除しても、
肝心の全体を向上させないと意味がない。



まさにホリスティック(全体性)な視点が必要なんですね。
チェーン店は「免疫0」へ向かいつつあります、気をつけましょう。





ん、長くなりましたな。
次回、もうちょっと書いてみます。


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